サンダースのブリットチャッカを購入した。何気に英国製の靴を新品で買うのは、初。1年前くらいに買った中古のチャーチがあるものの、ほとんど履いていない。コンサルのスエード版といった感じで、アバディーンというモデル。名古屋で格安で購入したのだが、前の持ち主がヒールをえらく高くカスタムしていて、妙ちくりんな恰好になってしまっているのだ。リペアショップに持っていくのも面倒でそのまま放置している。手放すのも忍びないので、いつか持っていくとは思うが。どうにも愛しきれないチャーチであるが、購入した経緯というのが、映画で見たスエードのチャッカが格好よかったので、似たようなのが欲しいな、と思っていたところに1万円で叩き売られていたチャーチが現れた、という感じ。値段で迷ったら買え、値段で買おうと思ったのなら止めておけ。名言だと思う。まさにそんな感じの買い物だった。安いから買ったはいいが、ストレートチップだし、ヒールは嫌に高いし、で全く履いていない。
そこで、前から気になっていたサンダースにスエードチャッカのモデルがあることを知ったのだった。1年前の本来の目的を思い出し、試着してみると存外に良かったので、購入。今度は現在の目的(茶フルブローグ)を見失ってしまったが。
ブリットチャッカ。映画『ブリット』でスティーブ・マックイーンが同じデザインの靴を履いていたことが名の由来だそう。
箱にもしっかり書いてますね。『ブリット』に限らず、マックイーンの出ている映画、実は1本も観たことがない。せめて『大脱走』くらいは観ておかねばならない気がする。冒頭で述べた「映画でみたスエードのチャッカ」というのは、『裏切りのサーカス』にてコリンファースが着用していたもの。どうでもいいが、『裏切りのサーカス』という邦題がどうにも気に入らない。普通に原題で良かったのでは。
それがこちら。チャーチのライダーかと思ったが、よく見たらウイングチップになっている。あまり見ないパターン。このシーンは靴を履きかけている所なのだが、くしゃっとした表情とコリン・ファースの影響で如何にもプレイボーイが履いていそうな靴に仕上がっている。そういえばブリットチャッカも別名プレイボーイチャッカとか言ったな、これで俺もプレイボーイじゃ、ムキャキャ。とか言いながら靴を履いたところでプレイボーイになれるはずもなく、今日も俺のMA(マッチング・アプリ)のアカウントには「いいね」が全く届かない。こちらからはかなり積極的に「いいね」しているというのに。これでは私から女性に対するアガペーじみた行為ではないか、とも思うが、女性達は罪など犯していないし、Omiaiは有料サービスなので無償の愛でもなんでもないのである。無論、私も神ではない。
恥ずかしながら、購入するまでブリットチャッカがサンダースのド定番モデルだということも、マッドガード製法についても知らなかった。ドロドロした場所に行く予定は特にないが、アッパーもライニングもソールも、至る所が柔らかい軟体生物みたいな靴なので、履いていて非常に楽。ちょっとした旅行なんかに重宝しそうである。コーディネートの守備範囲も広そうだし、デザイン的に秋から春先までは使えそう。この先の当番が多そうで楽しみな1足。
マッドガード製法はグッドイヤーのように、修理しながら繰り返し何度も使うのに適した製法ではないとのことだったが、全く修理できないわけでもないらしい。大手のリペアショップに持っていけばなんとかなるだろう。耐久力については未知数。おそらく減りは速いと思うが、パラブーツのように柔らかくても耐久力抜群のソールも存在するため、こちらも実は打たれ強いのかもしれない、期待。
ライニングはぺたぺたとした感触で心地いい。今まで買ってきた靴の中でもかなりスニーカーライクな1足。
所持していなかったため、スエード用の真鍮ブラシも購入した。レッツ起毛タイム。
ちょっとだけブラッシングしてみた。特にやりがいのある作業ではない。
シューツリーはどうしようか。完全にカジュアルシューズなので必要ないとは思うけれど。目下一番心配なのはソールの耐久力である。シェットランドフォックスは仕事用で買ったが、全方位からこれでもかというほどの超速で削れまくっている。それほど高頻度で履いているわけではないのだが・・・。買って半年で要修理は辛い。せめて一年は持ってほしいところ。まあ何はともあれ、プレイボーイ修行、開始ぃ！(裏声)
