西に、神なる竜の故郷に

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研修が終わった。と、いいたいところだが、1週間残っており、連休明けに再び東京にいかなければならない。めんどくさい。りにあー!りにあ開通まだかー!

 

4月になるまでは「せっかくの東京だから色々と楽しもう」と思っていた。この記事でそのあたりのことを書いた。しかし実際、平日は研修(なんかまだ”仕事”っていうのが恥ずかしい)に疲れ、ホテルに帰ったら全裸でぶっ倒れてしまうし、休日はフロムの新作『隻狼』をブチギレながらプレイするのに忙しかった。一応PCを持って行ったが、完全にお荷物になってしまっていた。

 

カメラも買えなかった。もともと「東京でカメラを買う」という計画は、「葦名のような僻地に配属になる」という懸念からうまれたものだ。田舎にF2なんぞ置いとらんだろうという。だから東京にいるうちに買っとこうという。葦名が分からない人は早く隻狼を買ってプレイしてください。ところが運よくトンデモ僻地配属は免れることができたので、カメラは時間をとれるときにゆっくり選ぼうということになった。

 

配属は大阪になった。本当に良かった。大学から関西にでてきたが、非常に暮らしやすいところだと思っている。最低あと3年はここに居座ることが出来るのだ。1ヵ月という期間東京で過ごしたわけだが、田舎モンが新入社員としていきなり住むには過酷なところだと感じた。主に電車の面で。この1ヵ月で電車にまつわる悲しいエピソードが増え過ぎた。

 

まず、東京の地下鉄はスーツケース利用者に不親切すぎる。会社が用意したホテルに行くために、上野から地下鉄に乗り換えなければならないのだが、その道中がなんとも苦痛なのである。エレベーターもエスカレーターも用意されていないのだ。5泊分の荷物を持って、地上と地下鉄ホームを何度も行き来しなければならなかった。しかも、東京の地下鉄はやたらと深い。負担に拍車がかかる。東京はー!喫煙スペースを減らす前に地下鉄にエレベーターを付けたほうがいいとおもいまーす!お陰さまで研修が始まる前に虫の息である。いざ出勤、同期の女の子に「これ研修終わるころには腕がもげちゃうよ~!参るな~!」と冗談交じりに話したら、火星よりも乾いた笑いが返ってきた。

 

東京は、心さえもえぐる。

 

次にスーツを紛失した。研修を終えた金曜、俺は友人の家へと向かっていた。5泊分の着替え、会社で山のように配布される書類、カミソリ、ホテルで貰った綿棒、飲みかけのクラフトボス、そういうものがパンパンに詰め込まれたスーツケースを右手に、着ているスーツとは別のもう1着が入ったハンガーケースと、3000円のビジネスバッグを左手に持って。分かりやすく言うと、たくさん荷物を持っていた。俺は「重いなあ」と思った。そしてハンガーケースを網棚に乗せるという妙案を閃いた。賢い。その後、インテリジェンスの塊である俺は、友人の住む埼玉県の某所で降車した。ハンガーケースを網棚にのせたまま。全然賢くなかった。すぐに気付けば良かったものの、気付いたのは降車してから40分は経った頃だった。

 

慌ててJR東日本の忘れ物センターだかに電話を入れた。その日にはハンガーケースの所在は確認できず、また後日電話することになった。3日に渡って電話をしたが、結局戻ってくることはなかった。きっと誰かが俺のイニシャルが内ポケに入ったスーツを着ていることだろう。いや着んなよ!返せ!

 

俺はもともと物を無くしやすいタチで、財布やスマホを落としたことが何度もある。しかし全て警察に届けられていた。なんでスーツは持っていかれるのか。納得できないが、置き忘れた自分が悪い。

 

そして極めつけに、電車内で(たぶん)ゲイに誘惑されたことである。座れなかったため、立ち乗りをしていたときのことだ。皆さんは知らないかもしれないが、東京は人口がとても多く、電車に座れないことも多いのだ。立っていると、目の前にホットパンツを穿き、サングラスを欠けたガングロムキムキの男が目の前に現れた。俺は扉にもたれる形で立っていたのだが、その男はあろうことか吊り革を両手で持ち、股間を俺に向かって突き出してきたのだ!変若水でも飲んじゃったのかな?

 

こりゃえらいことになったと思い、体の向きごと男から逸らした。スマホを食い入るように見て、さっきの禍々しい男なぞいなかったのだ、というような態度をとった。するとゲイはしめたとばかりに俺に身を寄せてきて、俺のスマホ画面を覗き込んできた。めちゃめちゃ鼻息が荒かった。絶叫しそうになったが、新社会人の鏡である俺は極めて冷静に、停車した瞬間に降りたフリをして別車両に逃げ込んだ。男はそれ以上追ってこなかった。

 

分からない。今はこうして神戸でクソブログを綴っているが、あの男がドア前で股間をこちらへ突き出しているかもしれない。怖いよう・・・宇宙の動画でも見よう・・・。

 

1ヵ月前は「私は東京でこんなオシャレ生活を送っています。井の頭公園は今日も穏やかです。」みたいな記事を書こうと思っていたのに、大半が電車における恐怖体験の描写になっていて悲しい。社会とはやはり恐ろしいものである。

 

次はカメラ買ったよー的な記事を書きたいですね。