J.M.WESTON 180

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ローファーの代名詞的な存在。もう買って3年目になる。買った当時はこれとジャランとで悩んでいたが、妥協してしまうと後々絶対こっちが欲しくなるだろうなあ、とか思いながらかなり無理をして180を買った記憶がある。試着時には、店員さんに対して「この人もしかして俺のこと嫌い?」と勘ぐってしまうほどキツいサイズを勧められた。流石というかなんというか、履いて半年もすれば足に馴染んで、特に痛みも亡くなった。ちなみにサイズは4ハーフのE。4て。ちっさいんですよね、足。この靴は自分が持っている中でも一番小さく、ぱっと見ではレディースかと思うくらい。

 

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一番小さいと同時に一番撮るのが難しい靴だったりもする。例えばブーツだとくるぶし辺りの皺だとか、紐をきつめに結んだときの、全体にテンションが掛かっている雰囲気だとか、ブローグシューズなら単に穴飾りの部分とか、写真に撮ると映えやすい部分というのがある。ところがローファーとなるとシンプルさゆえに情報量が少なく、どこをどう切り取ればかっこよく写るかイマイチ分からない。靴の話をしているのに撮影の話になっている。話があちこち飛ぶのは当ブログの、というか俺の悪癖であるが、まぁそれも醍醐味だと思っていただきたい。

 

画像検索してみると、ものすごく綺麗に履かれた180が多いように思う。5年も履いてるのに、新品時とほとんど差がない、みたいな状態。どういう履き方をすればあんなに皺が入らずに済むのだろうか。俺の場合はというと履き下ろした初日からシワシワだった。持ち主の心の捻くれ具合が皺という形で現れるのかもしれない。別に皺は気にしてないしいいんだけども。

 

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ヒール。内側にスレ痕。靴の写真を普段から撮りまくっているわけではなく、こうしてブログに記事をあげるときに写真を撮るわけなのだが、色んな方向・角度からパシャパシャしていると、なんだかグラビア写真を撮っている気分になる。いや、グラビアそのものは撮ったことないんだけど。妙ちくりんな心地がするが、改めて自分の靴をじっくり観察するいい機会でもあり、「履き口がえらく乾燥してるな」とか「ちょっとクリーム塗り過ぎてるな」とか普段はあまり気にしないところに目が向く。そして撮り終わった後に気付いた部分を手入れしたりすると、一層愛着が沸いたりする。この一連の流れが結構好きで、やりだすと楽しい。やりだすまではひどく面倒だが。部屋の大きさと家具の配置の関係で、撮影スペースを確保するためにまずベッドを移動させるという作業が必要になるからである。弊社、もっと広い部屋よこしてくれよ。

 

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ヒールの内側には結構なダメージ。この靴に限ったことではないが、やっぱりヒール部分への負担は大きいようだ。

 

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結構きてますねぇこれは・・・。労りの気持ちをこめてデリケートクリームをぬりぬりした。収集がつかなくなったらリペアショップに駆け込むことしよう。修理に出すのをめんどくさがっていたら、手持ちの靴のどれもこれもトップリフトがそろそろやばいというレベルまで減ってきた。そろそろまとめて修理に出さないとマズい。めんどくさいけど。

 

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買う前には「噂に名高いウェストンの革質とはさて如何に」とワクワクしていたが、いざに手に入れてみると「ふーん」くらいの感想だった。「大したことない」という訳ではなくて、「んほおおおしゅごいいい!」と興奮するほどではないというか、俺の感受性が低いせいかもしれないが、「普通に綺麗な革だな」という感じ。磨いたからといってビカビカに光るわけではないし、むしろどちらかというとマットな質感の革だと思う。ただ、6~7万円くらいの靴にままある現象だと思うのだが、粗い皺(クロムエクセル特有の大味な皺のイメージ)が入らないのは流石だなあと思う。また、個人的な意見だが、ウェストンに使われているボックスカーフの真価が発揮されるのは、薄暗い部屋とか、夕方とか、光量が少ない場所だと思っている。マットな革なので太陽光が反射してピッカピカ、ということはないのだが、薄暗い場所だと、僅かな光が銀面の奥に拾われ、ぬらーっというか、ぬめーっというか、とにかく滑らかに光ることがある。これが所謂「底光り」というのだろうか。この文章のすぐ上に貼っている写真の甲部分がその底光りしている例であり、

 

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これもそうかな。撮影技術が稚拙で伝わりにくいとは思うが、ウェストン所持者なら共感してもらえるんじゃないかと思う。

 

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ライニングはもうちょっと飴色になったくらいが好み。

 

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タンブラウンなのだが、こうしてみると購入当時よりだいぶ色が濃くなっている。これ以上濃くなってほしくはないから、色付きクリームは控えてデリケートクリームとかで手入れしていくことにしよう。

 

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純正オールソールは正直高すぎると思いまあす!

 

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シューツリー入れた状態で撮ろうと思ったのだが、入れ忘れるという失態。ローファー、どう合わせるか迷うこともあるが、結局適当なジーンズに、セントジェームスとか、モールスキン何某とかのフランス要素を投げつけるのが無難で楽だ。そういう恰好で朝からでかけて気取ったパン屋とかに入るといい暮らしをしている気分になれる。そういうパン屋は概して高いので入ったそばから帰ろうかと思ったりもする。それなりの恰好をしていきたいイベントにも勿論履けるし、ちょっとコンビニまで、とか軽く散歩、みたいな小用事にも使い勝手がいい。懐の広い靴だと思う。

 

次のウェストン、何にしようかな。高いけど。