Kyoto part2

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この界隈をぶらぶら歩いたのはアバウトにいって大体約3年ぶりです。

 

当時は「京都っぽいっちゃぽいけど、人多すぎるし、カップルがやたら目につくし、歩いてて心も体も疲れるな」という感想でした。

 

田舎から上ってきた童貞観念丸出しの感想です。

 

今になって想うことは、心が疲れるというより心が眩しい。

 

清水寺あたりの修学旅行生をみてるとノスタルジーで精神が焼き尽くされそうです!(良い意味で)

 

僕らの前を修学旅行中のJK3人組が歩いてたんですが、前方からすれ違う形で男子高校生と対面。

 

同じ学校の、それも気になってる男子だったんでしょうね。

 

JKの内の一人が、はにかみながら控えめに手を振ります。ほんと恥ずかしそうに。

 

男子のほうはというと、ちょっとカッコつけた感じで「オウ。」とでも言いたげなぶっきらぼうな表情ですれ違う。

 

知ってんだからな!おじさんは今お前が心の中で満面の笑みなの、知ってんだからな!

 

ひと昔の自分なら「貴様ら共々に煉獄の炎に焼かれて針の山の上で強制労働でもしちまえ!」とか思ってたんでしょうが、

 

今となっては「ああ・・・、ええねェ。」ってな具合です。

 

彼・彼女達には今を全力で楽しんでほしいです。

 

目が合うだけで心が「ドギュゥン」と音をたてたり、「最後に話してからもう1,2,3,,,もう1週間近く話してないなぁ、そろそろまた喋りたい・・・。」とか思ったり、文化祭前に居残って準備する中で急に距離が縮まったりするのは君たちの歳でしかできないんだぜ。

 

よく青春は”甘酸っぱい”と表現されますが、まさに今目の前で起こった現象が甘酸っぱいアレなんでしょう。

 

なんだか僕まではにかんじゃいました(職質事案)。

 

ちなみに僕は高校で恋愛らしい恋愛なんかできたもんじゃなかったので、甘酸っぱいというよりはひたすら酸っぱい高校生活でした。

 

プレーンヨーグルトがイメージとして近いです。

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八坂の塔を振り返って心を落ち着けます。

 

なんとうかこういう塔の相輪の部分あるじゃないですか。

 

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ここ。

 

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ここを見ると毎回、魔貫光殺砲を思い出します。好きだったなあ。この技。

 

PS2のスパーキングメテオでピッコロ(後期)に技の威力上げる珠積んで、魔貫光殺砲を最大タメで打つとダメージ2万超えてたのを今思い出しました。

 

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そんなことはお構いなしにそぞろ歩く友人。昔と歩き方が変わってなくて笑いました。

 

ポケットにねじ込まれた生茶がいい味だしてます。

 

写真に写った人たちの顔はレタッチブラシで見えないように加工しただけなんで、別に心霊の類じゃあありません。

 

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しかしどこを歩いても楽しいです。

 

前述のような青春のやりとりがあったり、散歩中の犬が浴衣着た美人に絡まれてて羨ましかったり、これまた修学旅行中の男子グループが土産屋で塔の模型(お値段2万強)を指さして「お前あれ買えよ!」「いやたけーわ、ナハハ!」!みたいな会話してたり。

 

生八つ橋食い歩きしてたら落としちゃった人がいたり。

 

路地裏でキセルふかしてるおじいちゃんがいたり。ここ禁煙だぜ!禁煙!

 

京の街並み、夕日でオレンジ色のフィルターをかけられた空気、秋の肌寒いも心地いい風と相まって、道行く人たちが全員情緒のパラメーターにバフをかけられたような感覚。

 

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こんな空気で「すいません写真とって貰えませんか!」なんて言われたらそりゃもう快く引き受けちゃいます。

 

外国の方に写真撮ってくれと頼まれたんですが、「ハイ、チーズ」でええもんかと悩みました。

 

ガイ・リッチーのシャーロックホームズで写真屋が「チィーッ!」って言いながら撮影してたのを思い出したんでそれに倣いました。

 

あれでよかったんかな。

 

祇園を後にして、京阪清水五条まで歩きます。

 

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何気に気に入ってる一枚。撮りながら「あーここ修学旅行中のときの集合場所だったな」と思い出しました。

 

夕日と京都タワーと観光バス。

 

分かりやすく京都!って感じじゃないですが個人的に実に京都らしい光景に思えます。

 

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五条通りを西へ。夕暮れの道路ってなんか好きです。

 

 以下茶番です。

 

「ゴメン!こないだ借りた傘なんだけどさ、今日渡そうと思ってたんだけど、夕方からまた雨みたいなんだよね・・・。また借りてもいいかな?」

 

「別に構わないよ。」

 

「ごめんねえ。助かるよ。」

 

「というかこないだの雨のときといい、なんで自分の傘持ってこないんだ。夕方から雨って天気予報で言ってたろ。」

 

「え~、あたし朝いっつもギリギリだから天気予報なんてみてる暇ないよ。」

 

「まぁ、見るからにそんな顔してるよな、松岡って。」

 

「うっさい!」

 

昼休みの会話を思い出しながら帰る。

 

松岡はまた話しかけてきた。あの日からずっとだ。先週の金曜。

 

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ひどい雨の日だった。6限目を終えて、図書室にでも寄っていくかという矢先、下駄箱の前で立ち往生している松岡を見かけた。

 

晴れそうにもない分厚い鉛色の空を、アイツは物憂げに眺めていた。

 

俺は何を思ったか傘を貸すなんて申し出てしまった。

 

図書館に寄るとはいえ、この雨はしばらく止まないだろう。

 

それまで話したことなんてほんの数回だから当然だが、松岡は俺の申し出を断ってきた。

 

「いや、先週忘れていったのと今日持ってきたのとで傘が2本あるんだ。こんな雨じゃ帰れないだろ。使ってくれ。」

 

なんて嘘をいって、半ば強引に傘を押し付けた。

 

どうかしてる。こんな雨だし、ここは東南アジアかどこかだったか?妙な熱病にでもかかったかな。

 

なんて馬鹿なことを心中で独り言ちる。

 

押し付けられた傘に戸惑いつつも、松岡は嬉しそうに礼を言ってきた。

 

図書室で適当な本をとって読んだが、どうしてか全く内容が頭に入ってこなかった。

 

図書室から出たものの、やはり雨は降り続いていた。

 

濡れながら帰った。不思議と気分が良かった。

 

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イツはどんな気分で帰ったんだろうか

 

きっとまた、傘を返しに来る。

 

そしてまたあの他愛のない会話をする。

 

そう思うと、傘なんてずっと返さずに返すフリだけしていてほしい、なんてバカな考えが頭をよぎる。

 

「というか雨降るどころか晴れてるな・・・。天気予報、はずれたな。」

 

独り言を言っていると、視界の隅に松岡らしき影が見えた。

 

不覚にも一瞬心が高揚したが、よくみると誰か一緒だ。

 

「あいつは・・・」

 

中山だっけ。たしかサッカー部の、いけすかねえ奴。

 

2人で楽しそうに、じゃれ合いながら帰っていた。

 

松岡は、俺が貸したあの傘で中山を小突いたりしていた。

 

自分の胸の中が真っ黒になるのを感じた。

 

思い上がるな。

 

松岡が悪いんじゃない。俺が、俺が勝手に勘違いしてただけだろう。

 

人は誰しも、自分の中に他人のイメージを勝手に作り上げてしまう。

 

そしてそのイメージが現実と違ったとき、勝手に落胆する。

 

俺はそうはなりたくない。

 

そう自分に言い聞かせつつも、どうしようもなく腹が立った。

 

雨が心地よかった先週と違って、晴れているのにドロリとした鈍色の液体を飲まされたような気分だ。

 

イヤに澄んだ空が、俺の心を見透かしているようで気分が悪い。

 

やっぱりあんな傘、二度と帰ってこなくったっていい。

 

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そういうアニメの場面で出てきそうな歩道橋です。


女の子の苗字が松岡なのは僕が松岡茉優が好きだからですね。

 

このあと伏見稲荷神社にいったんですが、作業中で行き止まり、ロクに見れませんでした。

 

 もうすぐ瑠璃光院の特別拝観が始まるんで、学生のうちにもう一回みときたいですね。

 

ありがとうございました。