ウェストンといえば、641、180、598あたりが人気で、310の情報はあまり出てこない、気がする。内羽根ってあんま人気ないのかな。確かに、デザイン的にUチップほど潰しは効かない。しかし「何か好きだなー」で310を買ってしまった。一年近く前だけど。
確かこの靴を買ったときは、黒のセミブローグが欲しくて仕方がない、そんな状態だった気がする。何か特定のデザインが異常にカッコよく思えて、手に入れたくて仕方がない時期ってありません?中学生の頃に靴屋にレッドウィングを買いに行って、リーガルのフルブローグを見たときは「こんな悪趣味に穴があいた靴、誰が履くんだ」と思った。6年後くらいのお前が履いてるよ。
穴飾りを除けば、セミブローグのデザインの土台はストレートチップである。ストレートチップのデザインで一番重要な部分は、勿論キャップトゥのところだろう。個人的に、クロケのオードリーみたいなキャップ部分が大きめのデザインは苦手である。リーガル、スコッチグレイン、ユニオンインペリアルあたりも候補として考えたが、これらのメーカーもキャップがでかい場合が多い。というかキャップが小さめの靴が少ない。自分が見つけられていないだけかもしれないが。
エドワードグリーンのカドガンくらいのキャップが理想なのだが、流石に高過ぎた。「大人しくエッグトゥにすりゃいいのに、どいつもこいつもスクエアトゥだのロングノーズだのよぉ、ケッ」という感じでプンプンしていた。
チャーチはキャップ小さめだけど何か違う、チーニーも然り、うーんどうしようか。うんうん唸って最終的にウェストンの310に落ち着いた。
セミスクエアトゥとのことで、そこまで角ばってもいないし、キャップも小さい。ウェストンは180に続いて二足目。デュプイのボックスカーフ云々に惹かれた気持ちも正直ある。革質の話を始めると戦争になるので割愛する。
余談だが、一部の心ない人たちが、キャップトゥを指さして「男性器のようだ」と揶揄することがあるらしい。ストレートチップは格式高いデザインなので、そんなことを言うのは絶対にやめよう。キャップトゥ=ストチ、じゃないけどさ。
ウェストンだからか「きつめのサイズ選ばなきゃ」という先入観が働いて、かなり攻めたサイズを買ってしまった。今はかなりマシになったので、結果的には良かったのだけれど。まだ馴染んでいない頃に、調子に乗って半日くらい履いたことがあったのだが、左足の甲が死ぬほど痛くなった。痛くなったというか最早破壊された。数日はスニーカーを履いても痛かったほどだ。ウェストンを買うときには「きついのにしなきゃ~」の言葉に縛られないで、「これは無理そうだ」と思ったら考え直すことをおすすめする。ホントに手放そうかと思うくらいに痛くなる。
180を買ってすぐの頃、女の子とのデートに履いていった。食事を終えた頃には既に足がめちゃくちゃ痛かったのだが、バカなので「いいいいいいい家まで送っていくよ」みたいなバカを言ってしまった。バカなので。そして無事に、足は全然無事じゃないんだけど、女の子を送った後にはくるぶしの皮がベロンと剥けてしまっていた。靴を脱いで裸足で帰った。情けなさすぎる。
新しい靴を買うと、ついウキウキで出掛けてしまいそうになるが、やはりあまり長時間履くことは避けたほうがいいだろう。かといってフラっと松屋とかに履いていくと何だかとってもみじめになる。10万超えの靴を履いて、320円の牛めしを食う。自分自身が矛盾の権化のような気がしてくる。
ボックスカーフって響きがいいよね。デュプイ革の靴を履くときは、ジェヴォーダンの獣を感じながら履こう。だいぶ履きシワがついてきた。そろそろシューツリーを買うべきだろうか。310を買ったとき、店員さんに「シューツリーも一緒にいかがですか」と言われ「あー180買ったときにツリーも買ってるんで大丈夫す!ギャハハ!」と返した。すると「ツリー2種類あって、ローファー用のやつは310のラストに合わないんですよぉ」と返されて赤っ恥をかいた。てかシューツリー高いんだよな。1万て。「あっじゃあつけといてください」と気軽に言える値段ではない。
ものすごい勢いでソールが削れたので、近所の修理屋でトゥスチールを装着してもらった。
前後から。綺麗な靴だと思う。
もたれているのは
ゴミ箱。何か汚いもんが沢山見えるが、深く考えてはいけない。
夢じゃないやいやいやい!手がとどきそ~なグロ~リア!(締めがテキトー)