田舎と都会と書籍

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私は宮崎県の典型的な地方都市で生まれ育ち、大学進学を機に神戸に移り住んだ。新卒就職後は大阪に引っ越し、現在も暮らしている。大阪はもうすぐで4年目に突入する。田吾作ボーイだった私もようやくシティボーイらしくなってきたといえようか。もうボーイというような歳でもないが。POPEYE嫌いなんだよな。

 

物欲まみれた暮らしを送ってきた身としては、再び田舎に戻るなどありえないと思っていたが、すっかり物欲が落ち着いてしまってからは案外田舎も悪くないかと思うようになった。田舎暮らしと都会暮らし、果たしてどちらが自分に合っているのか色々考えた結果、なんやかんやで都会がええですね、という結論に至った。考えたといっても、喫緊でどちらに住むか考えなければいけない状況でもないので、真剣なものではない。真面目に田舎と都会、どちらを選ぶかという状況に直面したらどうなるかは分からない。その頃には歳も結構とってるだろうし。

 

都会が良いという結論に至った最大の理由は、田舎には本が少ないからである。まず本屋がない。ないことはないが、魅力的な本屋はほとんどない。私が住んでいた市内には蔦屋やジュンク堂紀伊國屋といった大型書店は1店舗もなかった。自動改札機すらないのだから当然ともいえる。そこで力を持っている本屋というのは、地元の学校へ教材を卸すことを主な収入源にしており、店舗の運営にはあまり力が入っていなかった。そして卸している教材もまぁカスみたいなものばかりだった。

 

教材というのは、英単語ならシス単、数学ならチャート式、現代文ならZ会、というように定番を抑えておくのが無難かつ有効であると思う。良いモノだから売れているわけで。なんだけども学校を通じて購入する、というかさせられる学校専用教材というやつは問題も解説もレイアウトもダメダメの、箸にも棒にも掛かからん紙束ばかりだった。一番ムカついたのが数学。専用教材の問題集を解いてこいと課題が出るのだが、ご丁寧なことに解説書は別冊になっており、学校側は何故かそれを生徒に配布せんのである。全く意味が分からない。田舎は教師の質も悪いので授業で解説されても理解できない。解説書だけ手に入れようにも一般販売のルートはない。という訳で市販のGoodな参考書を買い求めて書店に走るのだが、品揃えが貧弱なので売っていない。八方塞がりである。そういえばあの書店の店主、長期休暇前に学校に出向いて指定教材売りにくるとき、廊下の椅子に頭の後ろで手を組んだ状態でふんぞり返って、「ハァイ、1500円」みたいな態度だったな。ムカついてきた。

 

まぁ、学校専用教材は田舎特有の問題というわけでもなかろうが、そういう利権が絡んでそうな地元の本屋がクソみたいな態度でクソみたいな教材を売りに来てクソみたいな品揃えを展開しているのに、高校生の当時は本気で憤っていた。親父に頼んで宮崎市内まで車を出してもらい、蔦屋に行ったときには気になっていた参考書が全て揃っていて感動したとともに、地元にうんざりしたものである。

 

という、「田舎と都会では本へのアクセスの良し悪しが違う」という話を長ったらしい前置きを用いてまで主張したかった。そりゃあ通販もあるが、服と同じで本も一度手に取って確認してみたいと思う。それに通販では既に自分の中に関心事としてあるテーマしか検索できないが、大型書店があれば見て回るだけで新たな発見がある。手に取って中身を見て、自分に合った内容か確認ができる。それが田舎ではできない。

 

大学受験の教材という、ある程度クローズな市場ですらそんな状況なので、書籍市場全体を比較すれば恐ろしい格差があるのではないかと思う。

 

書店がダメなら図書館だ、という考えもあるが、田舎の自治体は金がないので公立図書館の蔵書量にも差が出てしまう。実際、私の地元の図書館の蔵書量は40万冊だが、大阪には190万冊以上の蔵書を誇る図書館が2つもある。300万冊以上の差があるのだ。

 

私がいま借りている『ウィガン波止場への道』や『ジャック・ロンドン選集』などの珍しい本は、地元の図書館には置いてないんではなかろうか。

 

という訳で、何の間違いかこんなブログに辿り着いてしまった本好きな交通アクセスの悪い田舎に住んでいる高校生がいたら、是非とも都会の大学を受験することを勧める。

 

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参考書を求めて蔦屋書店へ向かう私の心の中で流れていた音楽です

禁煙136日目

タイトル通り。毎夜のように喫煙しては罪悪感に苛まれる夢を見るようになり、それが1週に1回ほどに収まり、そのうち「あ、これは夢やから吸ってもええわ」とニコニコ笑顔で夢想の喫煙をキメ込むようになった。

 

「罪悪感」と書いたが、タバコそのものが悪なのではなく、禁煙の意思を貫けなかった己を悪に見立てている訳である。1度吸い出すと1日30本なので、経済的なダメージがデカい。先日、友人と雪の中焚き火を囲んだときには吸いたくて堪らなくなったが必死に我慢した。こういう状況で「今回は特別...」と自分を甘やかすと一気に禁煙失敗となることは、イカ釣りの際、暇を誤魔化すつもりで貰ったタバコに6ヶ月続いていた禁煙を破綻させられた経験があるので、よく分かっていた。

 

そんな夢を定期的に見るので、深層心理でニコチンを渇望しているのだろうが、日中に吸いたくてしょうがない、なんてことにはまずならないのが不思議。とはいえ人間、ほどよい別の依存対象を求めるのが性のようで、ごく軽めの活字・カフェイン依存になっている。活字に関しては前に書いたように図書館を利用すれば解決できるのでOK。カフェインに関しては、筆記試験のときに薬効を求めすぎて完全な中毒になってしまったが、今はほどよい付き合い方ができている。仕事中にコーヒーを小さめのタンブラーで2杯だけ。量にして300mlくらい。UCCの安いインスタントコーヒーを飲んでいる。

 

色々コーヒーに凝りたくなるような気もするが、ミルとかでかいし高いのでまあ無理だな。というかコーヒーに凝りまくるくらいならその熱量は料理に回したい。来月にフードプロセッサーを買うので、この世の食材全てをポタージュにしてやろうかと企んでいる。

 

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遅めのクリスマスプレゼントにコンパクトロッドを貰ったので、来月の帰省で使う予定。楽しみぃ。あと今日は猫チャンが初めて手からちゅーるを食べてくれた。か〇ぽ生命ばりの強引な押し付け営業のようだったが。

嘘つき

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前回、「今週末に更新しまぁす」と高らかに宣言しましたが、すみません、久々に起動したMHW:IBが面白すぎてそれどころでは無くなっていました。ランスが楽しい。

 

通勤途中の時間にこんな記事を書こうかなーとか考えてるときは、割と書きたいことがドバドバ出てくるんだけども、いざ更新しようとなるとてんでやる気がなくなる。

 

というのも、生活リズムが整いすぎたきらいがあり、以前は多少無理して深夜2時くらいまでブログを書いてたりしたんだけど(そもそも夜の方が筆がのる)、最近は23:30には床に就いてしまう。要は書いてる暇がない。一度書こうと思うと、それなりに読み応えがあるものを、と思ってしまい、最低2000文字をノルマにしてたりするので、なおのこと更新できない。

 

だからといって、このまま放置していると更新が止まった数多の物悲しいブログの1つと化してしまうので、文字数は気にせずに、ライトな感じで更新していこうと思う。

 

今、電車でブログネタ用にと記録していたスマホのメモを見たのだが、やたらと重いテーマばかりである。働き方だの、客観的に見た自分だの、身の振り方だの。難しいことばっか考えてんじゃないの!お前はそんなに頭良くないの!もっと軽い話題思いつかないのォ!?、と今朝の自分にキレ散らかしそうになるが、そうしたところでどうにかなるわけでもない。天邪鬼なところがあるから、こういう風に書くと、来週あたりに「えー今回は身の振り方についてなんですが」と滔々と語り始めていそうな気がしなくもない。なんだコイツ。

 

最近は如何に金を使わずに過ごせるかということばかり考えている。そんな中で大活躍しているのが図書館。膨大な書籍が全部無料で読める。最高。なぜ今まで利用しなかったのか。手元に残らないからスペースを取らないし、面白くなくても「つまんね」の一言で済む。「買わなきゃ良かった・・・」とはならない。という訳で月に20冊くらい読んでいる。失業期間に住民税を毟り取られたので、元とったんじゃい、くらいの気概でいる。先週は蔵書整理だかで図書館が開いていなかった。借りることができなかったので、今は手持ちの積読本を消化している。

 

いつかどでかい本棚のある家を建てて、そこに難しめの本をたくさん並べてムキャキャと言うのが夢だったのだが、経済的にかなり無理があるなと悟り始めた。あと、膨大な書籍を所有するということは、作家とか学者とか、書籍と仕事が密接な関係にある人でないとそんなに意味がないとも思い始めた。

 

森の奥に建つ本だらけ家の中、暖炉の前でひたすらに本を読んでいる、という状況は妄想の中だけで楽しむことにした。

 

現実では、都心の賃貸マンションの一室で、高速道路を爆走するアホバイクにキレながら布団にくるまって、読んでます。

 

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生存報告

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生きてます。更新さぼってすみません。
日々活力に溢れてはいるものの、緊張性頭痛&眼精疲労に悩まされたり、2回目ワクチンを打って体調が落ち込んだタイミングで色々な不運が重なったりで、ウンウン唸っておりました。

仕事に少しは慣れたかな?というタイミングで、頭痛も眼精疲労も消えていったので、何だかんだ新しい環境にストレスを感じていたんだなぁと。

今週末くらいに何か適当な記事を書きます。生活リズムが真人間らしくなり、ネットサーフィン、YouTube、ゲームなどの時間が大幅に減り、自分と向き合う時間が増えました。

反面、色々と考えすぎたせいか、頭の中がとっちらかった感じになっていましたが、ファッキン頭痛とファッキン眼精疲労の消滅に伴い、徐々に言語化能力が回復してきた感じがします。

このように自分の変化に敏感になれたのも、転職により自分の時間が増えたからですね。整える時間が大いにあります。以前は脳死でタバコを1日30本吸ってましたからね。(現在禁煙100日目)

またよろしくお願いしま~す(投げやりな終幕)

シャツ比較

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カシヤマでスーツを買ったときのポイントが期限切れを迎えそうだったので、シャツをオーダーしてきた。トーマスメイソン+白蝶貝ボタン+送料(無料にせえや)で1.5万くらい。ポイントだったからいいけど、正直高いなと思う。オーダーといっても簡単なものなので、そこまで細かくサイズを選べるわけではないし。

 

とりあえず受け取りが完了したので、少し前に買っていた鎌倉シャツのスビンゴールドのヤツと比較して、久々に服に関する記事でも書いてみるか。

 

と、息巻いてはみたものの、シャツに関する知識がかなり薄いので、何を比較すればいいのかさっぱり分からず。結論としては、「鎌倉シャツってやっぱコスパすご~い」という感じ。

 

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KASHIYAMA

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鎌倉シャツ

まず生地。カシヤマがトーマスメイソンのポプリン。鎌倉シャツがスビンゴールド(150番手)のツイル。カシヤマでのオーダーの際に、「この生地って番手はどれくらいなんですか?」と店員さんに聞いてみたところ、「さぁ・・・」と返されてしまい、若干面倒な客みたいになった。反省。ということで番手は分からず。多分100くらいだと思う。ポプリンとツイルという違いがあるので一概にこう、とは言えないけど、鎌倉シャツの方が好き。というか買ってから気付いたが、僕、ポプリン嫌いですわ。すぐシワになりますからね。ははは。

 

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KASHIYAMA

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鎌倉シャツ

縫製は同点。ピッチの細かさとか、折り伏せ縫いとか、見た感じではほぼ同じ。ガセットはどちらもなし。

 

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KASHIYAMA

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鎌倉シャツ

ボタンのクオリティも鎌倉シャツの勝ちかなあ。スビンゴールドもそうだし、新彊綿200番手なんかの鎌倉シャツ高級ラインのボタンは、通常のラインのものより厚みがあるものが使用されている。生地だけでなくてボタンも変えとるんかと感心。コスパコスパ騒がれるだけのことはあるな~と思う。

 

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KASHIYAMA

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鎌倉シャツ

シャツに露出を合わせたら外が見事に白飛びしました。服撮るときのちょうどいい場所ってマジで難しくないですか?

 

余談は置いといて、シルエット。これは一応オーダーであるカシヤマの勝ちということで。フィット感はそれなりにあります。着画は汚いヒゲが写ってしまい、センシティブな画像と判断されても困るので勘弁してください。平日はちゃんと剃ってるよ!

 

最後に価格。一番大事なところ。これは鎌倉シャツの圧勝。カシヤマ15,000円に対し、鎌倉シャツ9,790円。年々高くなってはいるらしいけど、確かに安い。とはいえ1万近いシャツをバンバン買うのは無理なので、次買うときは通常ラインのオックスフォードかツイルの生地にしようと思う。しばらくは買い足す必要もないし。

 

 

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なんかもう全然涼しくならなくないですか?夏は暑苦しい上に未練たらしいので、人間だったらマジでモテない奴だろうなと思います。熱中症で人も殺すし。最悪じゃん。

転職した感想

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新しい勤務先での初出勤からとりあえず1週間経った。今のところ最高。ホワイトすぎてビビる。

 

まず残業がない。部署によっては残業があるらしいが、どんなに長くても月50時間ほどらしい。前職は月80~100時間がデフォルトだったから、これは大きな違い。更には残業代がちゃんと出る。それが当たり前なんだけど。「今の職場にブラックなんて言うつもりはありませぇん」なんて以前ブログに書いたけども、普通に良くない職場だった。残業代はせめて払ってほしかったし、払わない実態があるのに「みなし超過分は別途支給します」と新卒の募集サイトに載せてしまうのは流石にまずいと思う。

 

営業職だったので当然ノルマがあった訳なんだけど、一度営業の環境から離れてじっくり考えてみれば、数字のプレッシャーでおかしくなってしまった人が多かったように思う。勿論、全ての営業の仕事がそうだとは思わないが、前職にはそういう人が散見された。ターゲットにした部下のすること全てに文句を付けたり、信じられないような人格否定をしたり、「自分はやっている」アピールのために周りの人間を振り回しまくったり、そういう人間の話をよく聞くし、実際目にしてきた。

 

退職したってことで、これを読んでいる人はもうお察しだと思うけど、自分がそういうことをされた側。「人に好かれること、気を遣うこと」が何よりも重視されるような環境にあって、自分のような気が利かない人間が嫌われるのはまあ、当然っちゃ当然だった。「気が利く人たちの集まり」というと聞こえがいいが、悪い言い方をするとかまってちゃんが非常に多い。とにかく五月蠅い。細かいところに文句をつけてくる。そのクセに指示が適当。「この人に聞いてもしゃーないわ」と思って他の人に聞いたりするとそれで機嫌を損ねたりする。タチが悪いことにそういう人間に限って出世するので、同じような性質の上司がそんな状況を見て「お前はもっとアイツに可愛がってもらえ、お前の〇〇なところが悪い、そんなんだから云々かんぬん」と説教が始まってしまう。

 

合わなかった、と言えばそれまでだが、会社の人間のことが全員嫌いになってしまったので、気の利かなさには拍車がかかり、なるべく人と話したくない、という状況だったので働きにくさが悪化した。そこにきて超過労働による疲れ、出ない残業代、無駄な報告、終わったと思ったらまた新しく始まるノルマ、どこに飛ばされるか分からない不安、そういうものが溜まりに溜まって思考停止に陥り、収拾がつかなくなったあたりで衝動的に仕事を辞めた。終盤は会社に帰りたくなさすぎて、外で2時間くらいずっとタバコ吸ってました^^ほんますいません^^

 

転職して本当に良かった。残業とか全国転勤がないのもそうだけど、何より人間関係が楽だ。営業が全くない職種なので、数字に追われてピリピリしている人がいない。皆ゆったりと働いているので、仕事も懇切丁寧に教えてくれる。昼休みもしっかり1時間休むし。クソみたいな上司とクソみたいな会話をしながらクソみたいな茶を注いでクソみたいな味のランチを食うクソみたいな昼休み、では全くなくて、みんな弁当を自分のデスクで静かに食って、食い終わった後はスマホを見たり、本を読んだり、寝たり、思い思いの時間を過ごしている。そういう余裕があるので、以前よりも断然まわりの人に気を遣えるようになった。普通に笑って話せるし、まともな社会人としての立ち居振る舞いができる。自分は気の利かない人間だと思い込んでいたが、それは前の会社にかけられた呪いのようなもんだったと思うことにした。

 

通勤時間は伸びたが、基本的に定時で帰れるので19時には帰宅できる。家事もできるので食生活も健康になったし、部屋も綺麗に保てる。本当に生活が一変して自分でも驚いている。休みの日に電話がかかってくることもないし。というか仕事用携帯すらない。仕事で使う資料は極秘情報の塊なので持って帰ることも皆無。その日の仕事はその日の内に片付くようなシステムになっているので、仕事が溜まって悶々とすることもない。

 

前の会社には他にも色々と文句があるのだが、思い出すだけでムカついてくるし、時間と心のヒットポイントの無駄なので、今日愚痴を書いたのを限りに思い出すことは止めにする。まあ、あのクソったれ共と会うことも二度とないですからね。元同期とだけは仲良くしていきたいですね。ははは。

 

 

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金曜日に泥酔してしまい、帰り道の地下街でこの曲を大音量で聴いてたら訳分からんくらい感動して涙がでてきました。ただ、遅くなったせいで地下街が施錠されて迷子になりました。古代樹の森かと思いました。