気が向いたのでパラブーツのことでも書いてみようと思います。
パラブーツといえばシャンボードが人気ですが、私が履いているのは
こちらのアヴィニョンというモデルです。
アヴィニョンというのはフランスの都市名だった気がします。
先日、直営店内をブラブラしてたら「Miyazaki」というモデルを見つけまして。
「オ~、我が故郷宮崎県がついにフランスブランドにモデル名として採用されるほどのオシャレ国際都市に成長してしまったか」
なんてぬか喜びをしてたんですが、どうやらパラブーツには映画監督の名を冠したシリーズがあるようです。
どう考えても宮崎駿監督です。
頑張れ、宮崎(県)。
https://www.amazon.co.jp/【正規取扱店】-Paraboot-パラブーツ-CHAMBORD-シャンボード/dp/B00D3XXQTI
こっちがシャンボード。大人気です。大学でもちょくちょく見かけます。
最初はシャンボードでもいいかなあと思ってたんですが
見るからに足に合わなさそうなのでアヴィニョンにしました。
シャンボード履いて羽根が閉じない人は相当甲高なんじゃないでしょうか。
後は、シャンボードよりは多少被りにくくなるので、被るのが嫌だって人にはオススメします。
購入から一年ちょい経ちましたので、良かったところ・悪かったところ等書いていきたいと思います。
購入を考えている方の参考になれば幸いです。
今回は落として上げる方式で悪い方から書いていきます。
悪かったところ
足に合わない
「シャンボードとか絶対足に合わないしィ~、こっちのが良くな~い?」と、冒頭で書きましたがアヴィニョンもまあ足に合わんです。
むしろシャンボードの方がいいかもしれません。(履いたことないから分かりません)
全体的に特に問題はないんですが、一ヵ所だけめちゃくちゃ痛い箇所がありました。
小指の外側です。
写真の通り、この靴は爪先に向かってやや急に細くなっていくデザインなんですが、これに散々苦しめられました。
爪先が窮屈すぎて、行き場を失った小指の外側が靴にガンガン削られます。
数時間程度なら問題ないんですが、外出して半日履いてる、とかになると小指の皮が誇張なしにズル剥けになることも珍しくありませんでした。
そういう状態になると歩行もままならないので(そんな靴買うなよ)、小指を庇いながら歩くことになります。
外側が削られるので、小指と靴が触れないように若干内股にして、体重を親指側に乗せるんですよね。
すると今度は小指と薬指同士が擦れてめでたく2本とも靴擦れです。
靴擦れってか指擦れですな。
新しい靴を下ろして靴擦れになるのって、親指の付け根、内側のくるぶしとかが多いと思うんですが、小指と薬指の間っていうのは中々ないんじゃないでしょうか。
痛い思いをして必死こいて内股で歩いていると
「オレ、何やってんだろ・・・」と、アイデンティティが消失しそうになりますが、オタクは学習能力がないのでスニーカーを買うという選択肢が浮かびません。
悲劇の生き物です。
底が沈まない
底ってのは靴の中敷きのことです。
沈むってどういうことや?という人のために解説しますが、
チョット値の張る靴になると、中敷き(インソール)の中にコルクが詰められていて、履いてるとコルクが足の形に合わせて沈み込むんですよね。
(パラブーツはグッドイヤーじゃなくてノルウェイジャン製法ですが大体一緒です、たぶん。)
それでだんだん足に馴染んでいって履き心地が良くなるわけです。
この過程で「この靴は長年履いてスニーカー以上の履きごこち~」の罹患者が出現します。何度も言いますが普通にスニーカーの方が履き心地良いと思う。
話が逸れましたが、パラブーツのインソールって全然沈まないんですよね。
【閲覧注意】靴の中敷きの写真が貼ってありますが、人によっては汚いと感じると思うかもしれません。苦手な方はちょっと先まで読み飛ばしてください。
こんな感じで足に合わせてインソールの形が変わっていきます。
上の画像はパラブーツのものじゃないです。
ちょっと分かりにくいですが、よくあるインソールってこんな感じで足に触れた部分が全体的に飴色になって、触ったらはっきり分かるくらいに沈み込んでいきます。
そんで、よーくみてみると靴に対して縦向きに繊維?が走っているのがみて分かります。
次がパラブーツのインソールです。
なんか違くね??
触れたところの色が変わるっていうか、特に体重がかかる部分だけ塗装が剥げたような色の変化の仕方をしています。
(ちなみに小指らへんの側面をみてみると小指戦争の跡があります)
他の靴とソールの素材が違うのでしょう、繊維が走っているようにも見えません。
全体的にのっぺりとしていてなんかバーチ材みたいです。
沈み込みも他の靴に比べて明らかに進行が遅い。
小指の当たりもインソールの沈み込みで解消すると思っていたんですが、これだけ沈まないとなると痛いままです。
だんだんこの靴に対してイライラしてきました。
ところで、靴みたいな革製品とかジーンズって使い込んでいく内に、色が変わったり形が変わったりします。
こういうアイテムが好きな人は大概その変化の過程を‘‘育てる‘‘とかいって楽しんでます。私もそうです。
ところが上記の通り、私のアヴィニョンちゃんはまったく育つ気配がありません。
とうとう腹が立ち、小指との接触部分をなんとかできないかと試行錯誤した末に、「靴を殴る」という奇行に走ります。
「殴って育てろパラブーツ!」
とか言いながら痛くなる箇所をグーパンで殴りつけてたら、友人にドン引きされました。当然です。
ただ、本人はいたって真面目です。
先の大戦末期、ドイツ軍や日本軍が開発した珍兵器から学ぶに、人は極限まで追いつめられると大真面目に馬鹿を考えるようです。
作りが粗い
インソールのパーツの接着が甘かったり、羽根とアッパーを縫い付けている部分がほつれたりしました。
定価で7万もするんならもーちょっと頑張っていただきたい。
良かったところ
守備範囲が広い
万能だと思います。大概の服には合うんじゃないんでしょうか。
シャツにジーンズにも合うし
綿パンにも勿論
ツイードジャケットとか
モグラの毛皮みたいな作業着だったり
最近流行りのオイルでてかてかのジャケットだったり
よくわからん東欧の軍放出品だったり。
アメカジにはあんまり合わないかな。
雨にも強い(っていうことになってる)し、便利な靴です。
なんかもう雨とパラブーツって枕詞みたいになってるな。
まあ守備範囲の広さという点ではシャンボードとそんなに変わらないかもしれません。
何かイイ
うまく言葉にできないんですが何かイイんですよね。
パラブーツといえば、その2の緑タグ。
靴ひもは純正のものから替えてます。
シワは結構豪快に入ります。
これより大味な皺が入ってるパラブーツも多いです。
私自身、パラブーツのことは完全にカジュアル靴という認識で、傷なんかも気にならないんですが、「安くはないものだしせっかくならキレイな靴がいい」とか「キレイな状態を保ちたい」って人にはあまりオススメできないかもしれません。
傷はともかく、シワは防止できませんし、シワが細かく入るか豪快に入るかの見分けは買う時点では困難ですしね。
ウェルトもぶつけまくりでだいぶ消耗してます。
なんというか、個人的にパラブーツってフランス版レッドウィングみたいな印象があるので、ラフに履いたほうが様になる気がします。
その辺はもちろん個人の自由ですが。
なんというかこう、履いてて楽しいというか、言葉にできない良さがあります。
山口周さんも「言葉にできないのは超論理や!悪いことやないで!」って言ってたんで良しとしましょう。
アートです、アート。
そういえば先日、この靴で釣りに行ったんですが、その日からブルーム(革に含まれてるロウ成分が白く表面に浮き出てくること)の吹き出しがとまりません。
海水がよくなかったのか、潮風なのか、はたまたイソメ汁が原因か。
イソメちぎった後にシャツで手拭くの面倒だったんで靴で拭いてたんですよね。
すみませんでした。
「イソメで育てろパラブーツ!!」
ヒールが減らない
(あんまヒール移ってねえな)
1年と少し、かなりの頻度で履いてましたが、他の靴と比べてヒールの減りが格段に遅いです。
柔らかめの素材なんで、減りやすそうだなーと思ってたんですが。
逆に粘りがあるってことでしょうか。
まとめ
色々文句も言いましたが、総じて気に入ってます。
足の痛みはもう改善されましたしね。
「休日用に私服に合わせやすい革靴が欲しい」って方にはおすすめです。
足が痛くなるかもしれませんが。
2年後のアヴィニョンの記事もあるので、よろしければどうぞ。
パラブーツ ミカエルを購入 - DONZOKO (donzokochicken.com)
↑パラブーツ繋がりで、ミカエル。
2021.02.08 追記
最後までご覧いただきありがとうございます。当ブログでは、服・靴好きの筆者がしょうもないエピソードと共に私物を紹介しておりますので、お時間が許す方は、どうぞごゆるりと過ごしていただければと思います。